「チャンシルさんには福が多いね」
今年最初の映画はこの映画が初の長編作品となるキム・チョヒさんの
「チャンシルさんには福が多いね」をキノ・シネマにて。
監督がご自身を投影していると言われている物語りの主人公は
映画に人生を捧げてきて気が付けばアラフォー。突然の失職。
わが身を見ればお金も男も子供もなし。
笑えないような状況だけど、画面から伝わるのはほんわかとした
可笑しみのようなものや悲劇の中にある滑稽さみたいなもの。
お話の中で大きな出来事は何も起こりません。
チャンシルが間借りしている大家さんとのやりとりやバイトさせて
もらってる(家政婦として)お家で出会った語学の先生との
やりとり。人との関わりの中で気づかされるのは
何も持っていないように見えるチャンシルさんが実は沢山の
福を持ってるってこと。
人によってははひどく退屈な映画になるかもしれません。
でも私にはこのゆるくてクスっと笑える映画がとても心地良かった。
強くて強烈に心をかき乱すものより綿毛のような優しさが欲しい
時もあります。
チャンシルを演じていた女優さん、カン・マルグム。地味だけど
凄く良かった。彼女だからあの味わいが出せたのかもしれません。
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