書籍・雑誌
2020年2月14日 (金)
2016年12月19日 (月)
「夜廻り猫」
漫画を買うなんて随分久しぶり。
ある雑誌の書評で取り上げられているのを見て
たまらなく読みたくなり、、、3軒目の書店でようやく見つけ
ました。
”癒される””励まされる”というのは強くて万能なものによって
ではなく、自分と同じように弱くて、未熟で、、そんな中でもが
くように生きている人だったりします。
「泣く子はいねが~」と夜廻りする平蔵は現実にはいません。
でもそんな世界があると信じたい気持ちがあるから
この漫画に救われるのでしょう。
人の心が見えなくて、気疲れすることの多い日々。
「心で泣いていねか?」に張りつめていた気持ちがほどけていき
ます。大の大人が、、大の大人だから大っぴらに泣けないんです。
作者の深谷かおるさんが仕事ではなくてただ描きたくてTwitter
に載せて始まった漫画だそうです。
心が弱っている人にお薦めします。癒されますよ。
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2016年10月28日 (金)
気張らず
今「人生下り坂最高!」という本を読んでいます。
これはNHK BSで放送されている、俳優の火野正平さんが
自転車で視聴者から寄せられた”心の風景”を訪れる、、といった
旅の番組を一冊の本にまとめたものです。
家はBSが映らないのでこの番組をちゃんと見たことはないのだけど
飄々とした火野さんの姿もいいし、自転車で巡る旅にも憧れます。
旅の本を読んでいると自分もあちこちへ連れて行ってもらって
いるような感じがします。
現実は、「何処にも行けない私」なのだけど、
あちこちの風景を想像して、列車に乗ったり、早朝のバスに乗って
山を越えたり、、、。
この本の中に”気張らず気取らず”という言葉があり
その言葉がすごくいいなって。
気張らずって普段あまり使わないけれど、
「そうだそうだ 気張らずで行こう」と胸にストンときました。
肩の力 抜いてみよう。
🎃ハロウィン~。(植物園にて)
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2014年7月29日 (火)
余韻の残る
ひと月ほど前NHKでやっていたドラマ「55歳からのハローライフ」
がとても良かったかので村上龍さんの原作を読んでみました。
人生の折り返し地点を過ぎて、何とか再出発を果たそうとする
中高年が主人公の5つの物語。
原作を読んでみると、NHKのドラマが限られた時間枠の中に
物語のほぼ全容を上手く凝縮して作られているなぁ、、と感心。
そして私が抱いていた村上龍さんの印象がかなり変わりました。
と言ってもここ数年は彼の小説を殆ど読んでいないのですが、。
*結婚相談所
*空を飛ぶ夢をもう一度
*キャンピングカー
*ペットロス
*トラベルヘルパー
5つの物語の主人公たちは、それぞれに決断を迫られたり
新たな道を決断したり、年相応に痛んだ体や疲弊した心で
何とかしようともがきます。
みっもなかったり、滑稽だったり。
だけどとても温かい目で綴られ、終わり方に気持ちが救われます。
中でも
「空を飛ぶ夢をもう一度」、この物語のことがテレビドラマの映像と
共に何度もよみがえります。
詳しいストーリーは書きませんが、ジーンとくる物語です。
自分の身もおぼつかなく不安な日々の中、遥か昔の級友の為に
汗を流す。まずいかも、、とわかっていても巻き込まれてみる。
世間的に見た勝ちや負けなんて関係ないなぁ、、と思いました。
そう「結婚相談所」の編でこんな言葉が
”人生でもっとも恐ろしいのは後悔とともに生きること。
孤独ではない。”
こんなはずではなかったと、思いながら生きることほど
悲しい事はないですね。
孤独を友のように。。
2014年4月 7日 (月)
「あ・い・た・く・て」
ある一冊の本から次の一冊の本に繋がって
凄い本と出会うことがごくたまにあります。
そのごくたまに、、がありました。
工藤直子さんの詩集「あ・い・た・く・て」。
柳田邦夫さんの「言葉が立ち上がる時」という本の中で
工藤さんの「あいたくて」という詩を取り上げてられてて
(一部掲載)全部を読みたくなりました。
急いで図書館で予約。数日で手にすることができました。
『あいたくて』
だれかに あいたくて
なにかに あいたくて
生まれてきた
そんな気がするのだけれど
それが だれなのか なになのか
あえるのは いつなのか
おつかいの とちゅうで
迷ってしまった子どもみたい
とほうに くれている
それでも 手のなかに
みえないことづけを
にぎりしめているような気がするから
それを手わたさなくちゃ
だから
あいたくて
この詩を読んだとき、
私の中で何か腑に落ちたような気がしました。
上手く言えませんが、
もやもやと胸の中にずっとあった言葉を
ひゅーっと出してくれたみたいな。
全部で46の詩が、収められていますが
ドキッとしたり
うーんと唸ったり
ぐすんと泣きそうになったり、、
この詩集まるごと大好きです。
あとがきで工藤さん
”生まれてきたってことは 迷子になったってことなのかなぁ
迷子の気分は じつは好きです。
とても、なにかに「あいたく」なるから。
そして「あえてうれしい」から。”
と記されています。
「あえてうれしい」の嬉しいはとくべつ。
そんな日があるから迷いながらも前へ進めるのかな。
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2013年4月18日 (木)
「あしたも、こはるびより。」
やっと手にすることができました。図書館で予約してから
待つこと半年ぐらい。こんなに予約があるなんて、驚きました。
私はNHKの「きょうの料理」でこの本の著者つばた夫妻のことを
知りました。野菜70種、果実50種が育つキッチンガーデン、
そこでのご夫妻の暮らしぶりやお人柄に心を奪われました!
83歳と86歳、この暮らしを維持できていることに脱帽というか
ともかく元気じゃなきゃ出来ないですね。
お湯も出ない台所、、そんなことはどうでもないことなのかな。
そこには不便だけど、ものすごーく羨ましい暮らしがある。
英子さんの手作りの保存食あれこれを見て、
ともかく何か漬け込みたくなり、^_^;
大根ときゅうりのピクルスです。
2011年11月10日 (木)
「旅をする木」
星野道夫さんの「旅をする木」を読み終え数日間、、余韻が
今だ残っています。
素晴らしい本との出会いに感謝。。
アラスカの厳しくも美しい自然と
そこでひたむきに生きる人々、
星野さんの目や耳や肌や心で感じたことをなぞるように味わう
ことができました。
これから先、私は折にふれこの本を開くと思います。
澄んだ空気が胸いっぱいに広がり、
大切にしたいこと、見失いがちなこと、
思い出させてくれるだろう。
生きていくことを怖がらず
背中をおしてくれるだろう。
路に迷った時、小さな灯りをともしてくれるだろう。
この本に流れる優しさと静かな悲しみのようなもの
が胸に染入りました。
味わい深い言葉、文章が沢山ありました。
”世界が明日終わりになろうとも、私は今日りんごの
木を植える、、、、”
死はいつも隣り合わせだけど、今生きていることを
味わいつくすとは、そうゆうことなのでしょうか?
池澤夏樹さんの解説にあるように星野さんが「旅をする木」の
ように思えました。この本を開けば、いつでも星野さんに
会えるように。。
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2011年11月 6日 (日)
歴史から旅へ
以前「沈壽官展」を見に行った時、読んでみたいと思った
司馬遼太郎の「故郷忘じがたく候」、ずいぶん月日がたちました
が書店で目に留まって、思い出して購入。
今まで歴史小説を読むことがほとんどなかったのですが、
面白さにちょっと目覚めました。
表題の「故郷忘じがたく候」の他に2編、「斬殺」と「胡桃に酒」
が収録されてましたが、細川ガラシャの壮絶な生涯をえがいた
「胡桃に酒」にかなり衝撃をうけました。
人の狂気のすざまじさ、狂ってもおかしくないような状況
(火薬を張巡らされた部屋での起居)の中にあっても
自分を見失わず信念を貫いたたま(ガラシャ)。
信仰が彼女を支えたのでしょうか?それだけではない
天性の強さのようなものを感じました。
さて、次は星野道夫さんの「旅をする木」を読みます。
歴史から旅へ、、、。雄大なアラスカの風景を想像して
旅を楽しみたいと思います。
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2011年5月22日 (日)
森家の人びと
今何故か”森家の人びと”(森鴎外の家族)にハマっていて
関係書籍を読み漁ってます。
きっかけは鷗外の長女、森 茉莉さん。
現実的な処理能力に乏しく(ご本人も自覚)、幼児のまま大きく
なったような人。だけど生まれ育った環境ゆえか、美意識の
高さは凄いんです。晩年かなり生活に窮していても、ものすごい
こだわりを持って暮らしてて、そのこだわり加減の独特さが
面白いのです。
何よりもご本人がそうゆう暮らしを楽しんでらっしゃるから
読んでいて一緒に楽しくなってきます。
一方で「物を書く」ということに関しては大変な苦しみをもって
取り組まれています。内面にどんな鋭い感覚や審美眼を
持っていても、それを小説と言う一つの読み物にするのは
身を削るような作業なのですね。
茉莉さんが他に生きていく術がないと、ペンを握り締める
姿はお嬢様育ちでぼんやりした性質とうらはらに強靭な
ものを感じます。
鷗外には、先妻の間に於菟、後妻志げとの間に茉莉、杏奴、
類と4人の子供がいます。末っ子の類さんが書かれた
「森家の人々」「鷗外の子供たち」も面白かったです。
類さんは生活力に欠けた人、、ですけど、憎めないような
人間味のある方です。独特のユーモアで自分のふがいなさ
を嘆いてる箇所が多々あって、、素直というか、正直というか
たっぷり鷗外に愛されて育ったからでしょうか。
一つのものさしで人を推しはかることは出来ないなぁ、、と
思います。人の魅力って意外とその人が弱点だと思ってる
ところ、、だったりするのではないでしょうか。。
恥ずかしい話、鷗外の小説は「舞姫」と「高瀬舟」ぐらいしか
読んでない(^-^;けど、鷗外が築いた森家はたまらなく魅力的
な人びとの集まりです。
これってやっぱり鷗外の人徳なのでしょうか?
2011年3月13日 (日)
「生きるかなしみ」を。
またまた山田太一さんの「生きるかなしみ」を手にして
ほんの数編だけ、、のつもりがほとんどを読み直して
しまいました。「生きるかなしみ」とは生を嘆く事では
なく、そこに寄り添っている小さな「生きるよろこび」をも
また感受できることでもあるんだなぁ、、と思いました。
朝、観葉植物の葉の先に、ちいさな水滴を見つけます。
雫が宝石のように見えます。そんな喜びが日々の中に
あるということ。
自分の身の小ささに足がすくむような気持ちになること
もあるけど、与えられた恵みがあるということを
忘れずにいたいですね。
山田さんがこの本を編むにあたって最後まで迷ったと
記されている 耕 治人さんの「どんなご縁で」「そうかも
しれない」が気になって読んだのは1年前ぐらいのこと。
呆然としたような記憶があります。
「生きるかなしみ」そのものが書かれているような本
でした。
時実新子さんの随筆「私のアンドレ」の中にある
”相愛の石がころがる埋立地” という川柳。
埋立地にごろごろころがる石の中に相愛の石があって
どんな風な形でころがっているのだろうか、、と。
埋立地という殺風景な場所に転がる石ころに
転がって側へ行きたい、近づきたいと欲する心を重ねる
ところが、何とも切なく、可愛らしいです。
この本は繰り返し読んでも飽きることがない。
1年に1度は読み直して、しみじみしてます。
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より以前の記事一覧
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- 「荒地の恋」 2010.08.11
- 「小さいおうち」 2010.07.15
- 「センセイの鞄」 2010.04.10
- 二つの物語 2010.02.13
- 「食堂かたつむり」 2009.11.15
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